DARKGNOSIS

140字に断絶した世界を繋ぎ直す

然るべき対策を、然るべき決断を。

さて、今日はどういう角度から自分語りを始めようか?

 

ブログの更新頻度が上がっているのは単純にコンプライアンス違反しまくりのTwitterアカウントを消し飛ばしたので鬱憤を晴らす場所がなくなったからですね。

インスタントにストレスを解消できてしまうと、生き方もインスタントになるのであんまり良くないっぽいです。

 

 

何はともあれ、何はなくとも、秋がやってきてしまった。

この前「最高の夏にしようぜ」とか言ってたら一瞬で夏が終了していた。

盆休みも3日寝込んでたので何もしてない。

仕事はマジで忙しかった、時間ってものを感じてる隙がないほどの密度でタスクが降ってくる。

定時内ではどうしようもないので新人には許されていない残業が例外的に解禁される。

家に帰る頃にはもう太陽は沈んでいる。

これでも月残業時間が30時間程度のペースだってんだから恐ろしい、36協定スレスレを攻める生活が当たり前になったらどうなるんだ…?(しかも世間では36が守られてるってだけで勝ち組らしい、アホか)

これだけ忙しかったのは内部設計で拡張性のない最悪な設計をしてしまったことに起因しているのでだいたい自分のせいなのだが、弊社がウォーターフローモデルとかいうマジ欠陥しかない開発プロセスを採用していることにも責任があると思う。

設計後に検討漏れによるバグが発覚して「設計をやり直した方がバグ潰すの楽だ…」と気づいてしまっても、もう一度責任者を集めて会議をして議事録を取って判子を貰いに回らないといけなくなるのでクッソ面倒くさく、どんなずさんな設計だろうと決定してしまったら設計に従って修正を行うしかない。

もっと柔軟に融通が効いても良いとは思うのだが、企業である以上、責任の所在は常に明確にしなければならない。

ぶっちゃけ業務の4割くらいは責任の所在の言質集めをしてる気がする、こういうのに嫌気が差して大企業勤めを捨ててベンチャーとか行く人がいるんだろうなあと思う。

 

そんなワケで俺のはじめてのおしごとはクソお粗末な設計で、バグも仕様として押し通して製品化してしまったワケだが、創作のアイデアってやつはいつも全部終わった後に降ってくるらしく、製品化してしまった瞬間に俺はバグを出さず残業もしなくて済むスマートな設計アイデアを思いついてしまった。

前も言った気がするが、創作とは自己を自己から切り離す行為だと考えている。

故に創作は完成して初めて、客観視が可能となる。

だから俺は毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回「今回の俺イケてねえか!?」と客観度ゼロの視点から毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回同じような黒歴史を生み出してしまう。本当にやめたい。

 

こういうの、どう考えても人間のバグって感じがするし、マジで神とかいうの人間の設計ミスってねえか?

お前はお前で最高の”人間”を設計したつもりだったのか?

なあ?聞いてんのかオイ?

仕様で押し通そうとしてんじゃねえよ?

さっさとバグフィックスしろや?

 

なあ…頼むよ……一言「バグだ」と認めてくれればそれで俺は安堵できるんだ………

こんな人生が正常だと俺は認めたくない……

StarrySkyLogic!

「14歳の頃に聞いた音楽はお前に一生憑き纏う」なんて言うがお前はどうだい?

俺は14歳の頃に出会った岸田教団THE明星ロケッツの星空ロジックという楽曲に一生憑き纏われている。

 

今回は14歳に聞いた音楽の話、すなわち岸田教団THE明星ロケッツを賛美するのが目的の記事だ。

俺が岸田教団と出会ったのはニコ動のスキマツアー(この単語が既に懐かしすぎて泣く)で明星ロケットを聞いたときのことだ。

一発目は「ボーカルの人高音つらそうだしギターうるさすぎだし微妙やなあ…」な~んて思ってたわけだが、その数週間後に無性にまた明星ロケットが聞きたくてしょうがなくなるワケだ。

そうして聞く2度目「あ、良い…」となってしまうワケだ、原曲のレトロスペクティブ京都を破壊しない程度にやりたい放題に詰め込まれたギターの嵐。

そして、その中に散りばめられた「1000分の1秒で駆け抜けろ」「夜空に光る明星 見えないほどの音速」「加速する景色の中に思う生命の果て」という歌詞。

視聴する俺の意識は時空間を超えどこまでも疾走していく、そして光すら超えた瞬間に訪れる闇に見る景色、ここが生命の果て……

「はい、最高。」

14歳の俺はそんなワケで一瞬で岸田教団にハマっちまった。

そして当然、東方アレンジだけでなくオリジナル楽曲も漁り始める。

そこでたどり着く「星空ロジック」こいつはヤバイ、何がヤバイってヤバイから今から説明してやるからそこで正座してよく聞きな。

星空ロジックは歌詞が本当にヤバイんだ、そいつが俺の一生の音楽に対する感性を狂わせてしまった…

これは、歌詞じゃない、世界だ、セカイだ、ゼロ年代の亡霊ってやつが存在するのならば、俺にとっては間違いなくこの星空ロジックがそれに該当するのかもしれない。

歌詞は各々見ていただければ一番良いが、ざっくりストーリー調に歌詞を解釈するのならば「残酷なほどに美しい月が見下ろす滅び行く世界、その中にたったひとり残された主人公は忘れかけていた”君とこの美しい世界を共有したい”という衝動だけを頼りに生き延びていく。叶わない幻想を何度も夢見て、何もない世界だと絶望しつつもそれを『壊れそうでもいいよただあるだけでいいから』と肯定する」といった感じだ、これだけでも「うわ……閉じられた世界での孤独と、諦めに似た自己肯定で生きていく人間……そして終わりが明示されず希望も絶望もなくただただ回り続けるのであろう世界……最高………」となるしかない。

 

いくら願おうとも、夢見ようとも人間は本質的に孤独だ、これは揺るぎなく誰もが知っていることだろう。

だが、俺達は完全な孤独でいられるほど強くない。

だから他人との繋がりや、思い出に縋って必死に足掻く。

それが紛い物だろうと、本気でなかろうと、俺達はそうやって寂しさを誤魔化して「壊れそうでもいいよ ただあるだけでいいから」と嘯きながら過ごしていくのだ。

しかし、決してこれは人の醜さではない、むしろ美しさだと星空ロジックは肯定する。

闇に沈んだ世界で見つけた名前も知らない星に、忘れかけていた衝動も、消えてしまった願いも全て乗せて、黒い海に沈んだ輝きがあるんだと君に伝えたい、世界はまだ美しいんだと伝えたい、壊れそうな世界でもただあるだけで美しいんだ。

そういったガチ尊い肯定に満ちている。

まあ要は「エモ~いw」ってことですよ、星空ロジックは最高。QED 

 

追伸

星空ロジックを聞いて黒須太一のことを思い出した人間は100点満点だ。

何故ならば岸田教団の星空ロジック(アルバム名)には”84”というCROSS†CHANNELのことを歌った曲を収録されており、総帥(教団でいちばんえらいひと)がハマってたっぽいので、同じ時期に作られたであろう”星空ロジック(曲名)”にもかなりCROSS†CHANNELの世界観がかなり反映されている。

「生きてる人いますか?」の辺りのセリフを思い出しながら星空ロジックを是非聞いてみて欲しい、一瞬でブチ上がれるから。

 

Unlock

厳しい、かなり厳しい。

永遠に同じ場所をグルグル回り続けている。

解答は既に手にしているはずなのだが「解答を手にしている」ということ自体が「いつでも解けるので今動く必要がない」という足枷になっている。

解答を手に出来ないほどの愚かさか、解答をすぐに行動へと変換できるフットワークが欲しい。

本当にこればかりは気持ちの問題なのでどうしようもない、助けてくれエチゾラム

 

残業後、行きつけのラーメン屋で流れていたBUMPの天体観測を聞き、激エモくなって帰宅しプラチナスターズの特典タペストリーを眺めながら「自殺したアイツも部屋にアイマスタペストリー貼ってたなあ…」なんてことを考え続けていたら1日が終わった。

タペストリー上の天海春香はいつも同じ笑顔で、いつも同じ輝きを放っている。

彼女たちは、例えこの部屋で俺が首を吊ろうとも、同じ笑顔で、同じ輝きで、劣化することなく、この部屋を照らし続けるのだろう。

その残酷で永遠で超然な無機質は、死そのものだ。

といった感じでファッション鬱病思考をこじらせていたら、唐突な目眩が訪れた。

 

まず訪れたのは全身を包む熱気、続いて耳にはノイズじみた波の音、そして最後に開けてゆく視界に投影される果てまで続く蒼。

「海じゃん…?」

そうだ、俺は今なぜか沿岸の道路の上に立っている。

俺は真上で輝く真夏の太陽と、足元の熱されたアスファルトからのダブル熱射から逃れられようと、目の前の堤防を登った。

腰ほどの高さの堤防を乗り越えた先には白い砂浜が広がり、更にその先は真っ青な海が広がっている。

「海だよなあ…?」

前方はどう見ても海なので、どうしようもなく後方を振り返る。

小中学生くらいの背丈の少女と目が合う。

「ぁ……」

少女は虫が囀るような小さな悲鳴を上げ、その場で縮こまった。

「黒澤ルビィちゃんじゃん!?」

俺は雄叫びを上げる、何故ならば彼女は黒澤ルビィだからだ。

ウエストにリボンの意匠を施した白色のワンピースとつば広の真っ白な帽子が大変処女性を主張しており大変可愛らしい。

これは俺の知っている黒澤ルビィの理想像と完全に一致する。

つまり、最高ってワケだ。

「俺はオタクだから詳しい!?どうやらこれが異世界転生ってやつらしいぜ!?」

最高なので思わず叫ぶ。

「人生に完全勝利しちまった……!後はどうやって適当に暮らしてもラブライブ!サンシャイン!!のモブ程度になれる………!」

さらに叫ぶ。

「そうだ、とりあえず目の前の黒澤ルビィを犯そう!何故ならば俺はアニメキャラとえっちなことがしたいから!!!!」

「アニメの世界に人権はない!!!」

「チンポが立てばそれで勝ち!!!後は無理矢理ビーチの岩陰などに連れ込み犯すだけだ!?」

さらに叫ぶ。

「アニメとかいうの簡単すぎるな!?!?」

そして叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ、俺は叫ぶ、何故ならば異世界転生を果たした俺は世界の外側の存在であるので倫理的な振る舞いをする必要がないからである。

俺は倫理から解き放たれ一匹の"獣"と化し、全力で黒澤ルビィを捕獲しようと飛びかかる。

黒澤ルビィは全力で俺から逃げるが関係ない。

俺は23歳の男だ、女子高生如きにかけっこで負ける道理がない。

なんなら異世界転生とかしたし特殊能力とか使える。

試してないが多分出来る。

「クハハハ!!!!ほらな!!!!」

黒澤ルビィを”捉える”という気持ちを雑に右手に込めるだけで容易くそれは達成された。

「ぴぎゃっ!」

黒澤ルビィは動画を一時停止をしたかのように、全力疾走の格好のまま、宙に停止した。

「ああ…脳が蕩けそうなこのボイス…たまんねえよなあ…黒澤ルビィ………?」

小動物の断末魔のようなその悲鳴が俺を更に昂ぶらせる、俺は無敵だ。

「これから黒澤ルビィちゃんにえっちなことをします。何故ならば俺は無敵なので」

激キッショい醜悪オタクスマイルに黒澤ルビィも思わず泣き出す、とても可愛いしえっちだ。

俺はまず黒澤ルビィの髪の毛に触れようと思った、俺はモテる男だから詳しいが女の子はナデナデされるのに弱いので撫でれば一発で俺のことを好きになり、おちんぽが欲しくてたまらなくなるからだ、Yesロジカルシンキング

だが、黒澤ルビィに触れようとしたその瞬間、また目眩がやってきた。

「マジかよ………もうおしまいかよ…”足りなかった”か……?」

 

……

………

机に散乱する飲みかけの薬たち、雑多に積み上げられた漫画たち、やかましくVOCALOIDのPVを再生し続けるYOUTUBE、無音で劇場版ラブライブをリピートし続けるPS4、そしてプラチナスターズの特典タペストリー。

間違いなく俺の家だ。ソファで寝てたらしい。

そして、酷い夢を見ていたっぽい。

夢には深層意識が影響すると言われているが、俺にはノストラダスの予言を読み解くが如く雑に夢をこじつける程度の分析しかできない。

しかし現代のフロイトであるところの俺が「今の俺には黒澤ルビィちゃんとイチャイチャしてえ」という真相意識がありますと決めつけてくれたので「そうにゃんか〜」って言った。散文的に笑いながら。

 

明日は金曜日、その次はラブライブ!サンシャイン!!、やっていくだけだ。

タペストリーの中の死にはまだ遠い、ならばやっていくしかない。

やっていくしか、ないんだよ………

もう何もかもがめちゃくちゃだ………

↓↓↓ここからスタート↓↓↓

もう何とでも言え、俺も何とでも言わせてもらう。

全ての「やりたい・なりたい」は全ての「やりたくない・なりたくない」のためにある。

俺が賢くなったから気づいたのか、かつての「やりたい・なりたい」が本物だったのかはわからないが、結局は今の存在と行動だけが証明だ。

俺は夢を持たず生きる意味のないクソFAKE野郎だ、例え口先が何かを語っていようともそれは自分の嫌なこと全てから逃避するための手段に過ぎなかった。

↑などといった文章を書いていたのだが

「じゃあマジで夢ねえのかよ?人生に楽しいことマジであらずか?w」と総ツッコミを自分から受けてしまった……

なのでいっしょうけんめい考えました

そうしたら僕は最近シャドバをめっちゃ楽しんでることに気付きました。

そうやってカードゲームでアド稼ぎばっかり考えてるから、人生にアドを発生させられない趣味は無意味だと勝手に虚無ってただけでした。

↑って思ったが…?

「シャドバも所詮、背後からやってくる時間という概念が怖くて逃避してただけだろクソFAKE」などと思った。

「何もしたくない」をしたいってのが一番しっくりくる。

死体になれば手っ取り早く「何もしたくない」を達成できるっぽいが、一番しっくりくる一番したいものが人生の一番最後に訪れる死の恐怖によって阻害されているので皮肉い。

↑躁鬱反転↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

「何が『何もしたくないけど死を恐れているから何かしちゃうの悩みだわw』だ、馬鹿じゃねえの?てめえは手の届く程度の雑草でも食って朽ち果ててろ、俺は人を踏み台にしてでもあの金のリンゴに手を伸ばしてやる。

お前の言ってることはいつも正しいが、お前の中だけでしか通用しない。

だから、否定を恐れて世界を広げることを踏みとどまっている、たかが23年で全てだと慢心しきってる、雑魚か???????

『結局どこまで行っても満たされることがないから行動は無駄』???????は???????じゃあなんでお前は今すぐ自殺しねえんだ???????

自殺しないように理論武装を用意してるからだろ?俺はその理論武装を強化しろって言ってんだよ。そんな日々ギリギリ生存達成出来る程度の武装で生きようとするんじゃねえ、マジでこの先2秒で死ぬぞ?

なあ?そんなに汚く生きたかったら自己だけで高めた自己肯定に無理があることにいい加減気付こうぜ?

次の瞬間には「まあ、こういう記事書いたし”わかってる”から許して?」なんて言うんだろ?

殺せよ、自分を甘やかす自分を。

それは自己肯定じゃなくて自己諦観だろ?

世界は自分の観測によって自分の中に構築されていくものなのに、肝心の自分に期待できない奴が自分以外の世界に期待できるか?

わかったら『悪いのは俺じゃなくて世界の方だ!』なんて順序関係が破綻した論理ブチ撒いてオラつくののやめろ。

思いだせ、間違いなく輝いていた日々を。

そして火を灯せ、乾燥しきった魂に!

さあ準備は整った!お前は今から何をしたい!?

叫べよ!!存在を!!!

爆ぜろ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

↓今回のブログの落ちです

「俺は…俺は……今日はブログ一本書いたしこのまま寝たい………」

 

オチがついて落ち着いたwってことですね。

厳しい…………………………。

【ことうみSS】クリアレイン

※諸注意

穂乃果が死んでる、ことうみ百合、ノンスマイル

 

〜〜〜〜〜〜~~〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

何日も振り続ける雨は、世界からあらゆる色を洗い流してしまったかのようであった。

果てまで広がる雲に街は覆われ、道を行く人々はみなうつむき気味に傘に隠れるようにして何処かを早足で目指している。

 

街の外れに存在する墓地は、こんな雨が続く日に訪れる人間はいないようで、墓地を取り囲む木々は雨粒の重さに枝を垂らして沈黙し、等間隔に並んだ無機質な墓石たちは冷たい雨に打たれ続けていた。

その墓地に、黒い傘を差した少女「園田海未」がノイズじみた雨音に混じるように現れた。

黒のワンピースで身を隠した彼女は、湿った長い黒髪が目にかかっているのも気にせず、ゆっくりとぎこちなく夢遊病患者のように墓石の隙間をすり抜けていく。

そして彼女は”高坂家先祖代々之墓”と刻まれた墓の前で足を止めた。

その墓には、つい最近に備えられたと思われる9色で彩られた花束が添えられていた。

それは、今日の悪天候の中でもはっきりと輪郭を持ち、仄かに光を帯びているように感じられた。

園田海未は悲しみとも怒りともわからない無表情で墓石と向き合った。

 

「ほの……か……」

長い沈黙の後、彼女はその三文字を呟いた。

高坂穂乃果、2ヶ月前に事故で亡くなった彼女の幼馴染の名だ。

高坂穂乃果は真夏の太陽のような少女で、全てを勢いだけで輝かせてしまうような存在であった。

園田海未にとって、高坂穂乃果と一緒に見る世界は何でもないことだろうとキラキラと輝き、何処へだって飛び立てる、そんな奇跡を錯覚させてくれる存在であった。そんな彼女のことが大好きだった。

 

しかし、その錯覚を得る機会はもう失われてしまった。

 

「……ほのか…」

認めたくないとばかりにもう一度、過去に埋葬されたその名を小さく呟く。

しかしその声は、誰にも届くことなく雨に混じり足元の泥に溶けていった。

雨霧で曇る視界は銀幕に投影された偽物の光景のようで、傘の内に小さく収まる園田海未の孤独だけが本物であるということを強調していた。

彼女は傘の向こう側へと手を伸ばし、墓石を指でそっと撫でた。

指先には染みるような冷たい死の温度だけが残った。

 

雨音のノイズは終わることなく残響し続ける。

 

園田海未高坂穂乃果の墓を訪れたのは今日が初めてのことであった。

ここを訪れてしまったら最期、本当の意味で高坂穂乃果の死を認めなければならないようでずっと避けていた。

彼女の高坂穂乃果と過ごした10数年は間違いなく本物で、あまりにも輝いていた。そして、それを永遠だと信じてしまっていたくらいに園田海未は純粋であった。

そんな永遠の終わりを目の前の無機質な石塊如きが証明する、それが恐ろしかった。

「穂乃果……貴女に雨は似合いませんね……」

彼女は何かに祈るように、そして自分に言い聞かせるように高坂穂乃果の名を再度呟いた。

そして自分が濡れるのも構わず、自らの傘を穂乃果の墓石に被せ、墓石に向かって手を合わせた。 

「結局、私だけでは変わることも変えることもできなかった……私は今までずっとあなたに甘えていただけだった……」

雨に打たれながら、彼女はそう呟いた。

 

 

「海未ちゃん……来てくれたんだね………」

雨音の中から、聞こえるはずのない優しい声が聞こえた。

驚きに園田海未が振り返ると、この灰色の世界に不釣り合いな白と水色のカラフルな水玉模様の傘を差した少女が立っていた。

「ことり……」

意外な来客に園田海未は目を丸くして驚いた。

「このお花はね、μ’sをイメージして花陽ちゃんがアレンジしてくれたの」

南ことり園田海未の驚きに気づかない振りをして、かつてと同じように陽だまりのような優しい声色でそう語った。

「それと、雨の日に傘を差さないなんて風邪をひいちゃいますよ」

南ことりはそう言って半ば強引に園田海未の腕を引っ張り、自らの傘の内にすっかりずぶ濡れとなった園田海未を招き入れた。

「雨、止みそうにないね」

一向に黙ったままの園田海未の沈黙を誤魔化すかのように、南ことりは傘からはみ出た右肩を濡らしながら呟いた。

「ごめんなさい……」

「海未ちゃんが謝ることはないよ、それに相合傘ってちょっとドキドキするよね」

柔らかに南ことりは笑った。

「そうじゃないんです……この2ヶ月間ずっと私は…穂乃果のことから逃げてたんです………今までずっと追いかけてた穂乃果が追いつけない場所に行ってしまったというだけで穂乃果から逃げ出してしまった自分が情けなくて……きちんと穂乃果の死と向きあえていないことが許せなくて………」

すすり泣きながら園田海未はそう言った。

「海未ちゃん………。仕方ないよ……だって私たちはずっと一緒だったんだから……」

南ことりは白いバッグからハンドタオルを取り出し、園田海未の濡れた髪を撫でるように水滴を取り除いていくらら

「だからね、海未ちゃんが今日こうやって穂乃果ちゃんのところに戻ってきてくれて私は嬉しいの」

「それとね、穂乃果ちゃんが教えてくれたの『立ち止まってるだけじゃ見える景色は変わらない』って……海未ちゃんは今日最初の一歩を踏み出せた、だから全部が元通りとはいかなくてもまた昔みたいにキラキラした世界を見つけることが出来ると思うの……」

 南ことりは足元で跳ねる泥を目で追いながら淡々と、そう言葉を紡いだ。

「元通り…?穂乃果はもういないのに…!?」

園田海未は声を荒げた。

「まだ海未ちゃんと私は生きてる、それに他のμ'sのメンバーだって……」

今にも泣きそうな顔で南ことりが小さく笑った。

その瞬間に、園田海未は自分は何と卑しい人間なのかと内省した。

高坂穂乃果の死に傷ついているのは自分だけではない。各々が各々の方法で折り合いを付けようとしているのだ。

だというのに自分だけが答えを見つけられないまま、過去に縋って進めずにいる。

それを変えるために今日この場所を訪れたというのに、軽率で鋭利な言葉で未来に進もうとしている南ことりを傷つけてしまった。

「ごめんなさい……」

「大丈夫だよ…海未ちゃんは何も悪く無いよ……」

南ことり園田海未を抱きしめた。

園田海未は、南ことりは自己犠牲という残酷すぎる優しさを保有した人間であったということを思い出した。そして、自分はまたその優しさに溺れてしまうとしている。

またことりだけが全てを背負おうとしている、それだけは避けなければならない。

「こと…

「海未ちゃん……このままだと風邪を引いちゃうよ。一旦家に帰ろう?」

南ことりの言葉の方が早かった。

園田海未は改めて自分の姿を確認すると、頭から足先までびしょ濡れであった。

「……そうですね」

「……話したいこともお互い沢山あるでしょうから、まずは家に戻りましょう」

二人は穂乃果の眠る墓石に向かって手を合わせ、墓石に被せた傘はそのままに、二人は墓地を出て行った。

 

 

Ending is Ending

就活期に書いたと思われる、本来ブログの一本目に使われるはずだった文章が発掘されましたので投下しておきます。

 

〜〜〜〜〜〜〜投下〜〜〜〜〜〜〜

どうも、お久しぶりです。闇羽龗神です。

またか……と思うかもしれませんが、そのとおりです「また」です。

まあ懲りずに付き合ってください。

そもそも前回はブログに書くネタがなくなって激寒い小説なんぞを書き始めたのが悪いんです。承認欲求とかいう難儀な病と、行動しなければあっという間に人は死ぬという恐怖を併発した結果がアレなんです。本来ブログなんて更新されない方がいいんですよ。ツイッターに書き込む程度の取り立てることのない日常を送ってたほうがいいんですよ!

………

まあ、言い訳はこの程度に致しまして本編に入りましょう。

今回のブログはそのまんま「日記」です、備忘録的に日々の雑感をメモってきます。

記念すべき第一回ですけど○職○動の話をさせてもらっていいすかね、あんまり面白い話じゃないと思うんすけどまあ「日記」なんで………(今回のブログは前回みたいに日常を見栄え良く書こう!という努力は一切しないし小説なんかを書いたりも絶対しないんでヨロ)

 

就職活動、ざっくり言って「働きたくねえ」の一言に尽きますね。

ここで今回のブログの内容の9割は終了なんすけど、残りの1割は何で働きたくねえかって話ですよね。

遡ると物心ついた頃にはもう引きこもり体質が身についてた気がしますね、外で遊ぶよりは本読んだりレゴ組み立てたりゲームするほうが好きだったし、運動神経も下の上って感じでかくれんぼ以外の外遊びは基本的に嫌いでしたね。

んで、らき☆すたというイニシエーションを経て当然のごとくオタクへと進化して今に至るって感じなんすけど、今の性格を定めたのが高校時代で具体的に拗らせたのが大学生活なんじゃねえのかなあと思います。

高校時代、色々云々は省いて結論だけ言うと人間が嫌いになってグノーシス主義に傾倒したって感じすかね。

大学時代は、それらを現実に否定されたり拗らせたりした結果「若いうちは最悪の場合でも若いというアドがあるから『精神世界サイコー!他者こわい!』してても大丈夫だけど、老いっていうリミットが次々とお前の余裕をなくして精神世界すらも破壊していくぞ」となって「積極的に生きたくないけど死にたくもねえのでそこそこ現実も頑張ります……必要とあらば他者とコミュニケーションする道化にもなります………」になりましたね。

個々のエピソードも相当数あるんすけど今回は就○活○の話がメインなんで次行きます。

当たり前の話なんですけど、どの企業も現実を頑張る少年少女を求めているようで僕のような面接対策を当日にカラオケボックスでやったりグループディスカッション遅刻するような奴は容赦なく落としてきます。見せかけのやる気でも出せる奴の方が偉いのはわかるけど、本当に働きたい人間なんて1%もいないと思うんで勘弁して欲しいです、マジ。

グループディスカッションとかいうのが特に怖かったすね、どいつもこいつも満面の笑みで心にもない賛辞を投げ合って最後に「最高のチームでしたね!」って言い合うんすよ、人間とかいうのこわすぎる……………遅刻した企業のディスカッションとかどうせ落ちるだろうし人事共に「一生学芸会ごっこしてろフェイク野郎共!!!!!!!」って言ってそのまま立ち去ろうかと思いましたね。流石にやってないすけど……

コミュニケーション重視ってのも個々の人間で出来ることなんて余程有能な奴じゃなきゃたかが知れてるし、かといってチーム組んでも協調性なかったり現実にやる気ない人間がいたら全体で士気が出ねえから「現実を頑張ってます!人間との会話ダイスキ!」って人間を優先して御社が雇いたがるってのもわかるんすけど…わかるんすけど…………マジでさあ………………

孤独なダンスホール

今日は、高坂穂乃果の誕生日だ。

先月の俺の誕生日なんかよりよっぽどめでたさがあった気がする。

平日なので普通に業務はあったが、自分の好きな娘がみんなから祝福されているのを見るのは精神に良いので良い。

 

そして俺は相変わらずだ。

個人輸入した薬をガリガリ食べながら、平日にガリガリ削れた精神を全力で回復させようとソファに沈んでいる。

ポケモンGOがとうとう配信され、楽しみにしていたはずだが何となくやる気が出ずダメだった、プラチナスターズも楽しみにしていたが未だにプレステ4を買っていないのでプレイしていない。体重も3キロ落ちた、確実にやつれてきている。

そんな中で、また絵を描くようになった。

死蔵されていたペンタブを引っ張り出し、クリスタを購入し自分に絶望したり自分を激励したりクソ感情をむき出してアニメキャラクターの絵を描いている。

砂漠に水を撒くように永遠に満たされない行為だが、楽しくはある。

今まで人生の中で、何回も下手な絵に絶望してペンを投げてきたが何のかんの絵を描くことは嫌いではないらしい。

今回、またペンを握れたのはスクフェスの小悪魔穂乃果があまりにも可愛く、あまりにもえっちだったという要因がデカイ。

俺は家賃分スクフェスに課金し、穂乃果以外の小悪魔μ'sを揃えることに成功した。スクフェスはそれ以降やってない。

 

そして、ペンを今のところ握り続けていられるのにとある友人の存在もある。

今の"体重が削れるほどに絶望した生活の中で唯一絵を描くことだけで世界に立ち向かえた"というスタイルはその友人の就活期とかなり似通っているので俺も来年には神絵師になっているという無根拠な勇気が出る、ありがてえ、そこで待ってな、すぐに追いつく。

線画交換企画を持ち込んでくれたのもありがたかった。クソ遅筆な上にショボい線画を美麗に完成させてくれたことにこの場を借りて感謝したい。

 

何か感謝ばかりを述べてると自殺する準備を整えてる人間の文章っぽくなるので、話題を変える。

俺は高坂穂乃果が好きだ。

高坂穂乃果の子供のようにコロコロと変わる正直な表情が好きだ。

高坂穂乃果の不安を全て吹き飛ばして、全てを大丈夫だと思わせてくれる太陽のような笑顔が好きだ。

過去も未来も考えず、全力で目の前のことだけを駆けていく高坂穂乃果が好きだ。

少女漫画が部屋に並べられていたり、カバンに謎のマスコットを付けていたりと普通に少女趣味なところも良い。

もちろんスクールアイドルをしているときの高坂穂乃果も大好きだ。

彼女がメロディを口ずさむたび、ステップを踏むたび、髪を揺らすたび、俺は「ヴォイ!」と叫びながら多動を開始する。最高。

 

アニメキャラに激ラブを注ぐ行為は自己願望をアニメキャラという関数を通して返り値を得てるだけの行為なのかもしれない。

だがそれで構わない、俺はこの幻想を間違いなく愛している。

ありがとう高坂穂乃果、出会えてよかった。今まで見てきたアニメキャラたちのように、いつか僕は君を忘れてしまうかもしれない。

だけどそれは君のことを必要としなくても、しっかりと前に進めるだけの力を君から得られた証拠なのだ。

だから、勝手な願いだがその日が来るまではどうか俺に寄り添って居てくれないだろうか?

 

…あぁ………高坂穂乃果…………輝かしきその存在がどうか永遠でありますように………

 

俺は踊り続けている……孤独なダンスホールで………