DARKGNOSIS

140字に断絶した世界を繋ぎ直す

前編

ようやく年末という気分になってきた。

思えば短い1年だった、常套句で申し訳ないのだがマジで1年が短い。年をとると”1年”の持つ濃度は”年齢分の1”になるので云々みたいなやつだろうか?よくわからない。

濃度という面で改めて振り返ってみるが、今年は何が濃かっただろうか?就活ぐらいだろうか。間違いなく自分の人生を変える分岐点であり、”濃い”を通り越し”重い”日々だったのだろうがあまり印象にない、というよりも御社に入社して働く自分というものが全く想像できず人生が変わったという実感が一切ない。これから先も少し難易度の高くなった”人生~社会人編~”とかいうクソゲーに文句垂れながらしぶとく生きていくんだろうなあ…ってくらいだろうか。

なんやかんや大きい後悔もなく、レールにガッチリと乗っている僕の人生だがひとつだけ後悔がある。後悔というよりは「そっちに進んでいたらもう少し拗らせてないオタクになっていたかもなあ…」程度の話なのだが。

 

高校入学当時15歳だったぼく(まだ笑顔が作れない)は、本当は帰宅部にしようと思ったものの高校デビューによる謎のワンチャンを感じた+単純に絵を描きたかったので美術部に入部しようと思った。

/*オタクって何で絵を描きたがる奴が多いんだろうな…?受け取り貪るだけの行為は”活動”だって思えないんだろうか…?そんでもって、描きたがるくせに結局練習する奴は少ないし怠惰だよな…俺は少なくとも中学校くらいから漠然と「絵を描きたい」って思ってたはずなのに大学卒業する瞬間になってなお真面目に練習した記憶が無いし画力も当然上昇していない……………*/

そして部活動説明会をやるとのことなので美術部にお邪魔したところ、驚いたことに部員が3人しかいなかった。そして見学者も俺含め2人で、ついでに言うと現部員も見学者も俺以外みんな女子だった。

その後見学会で何をやったのか全く思い出せないが「絵を描くのにメンツなんて関係ねえよ…黙々と練習するだけさ……」と得意の中二病を発症させながら女子だらけのハーレム美術部に入部を決めた。見学者のもう一人の娘も入部した。

そんなわけで部活動生活が始まり、まずは部員用の画材を買いに行く+新歓イベントを行った。

顧問のおばあちゃんの車に乗って画材屋に行った後、学校に戻り買ってきたお菓子を食べた。特に何があったわけでもなく積極的に会話したわけではないが、部員構成は3年生2人と2年生1人と1年生2人だということがわかった。

次の日以降は活動が始まり、石膏デッサンなどをした。

怪しげな気配があったのは入部後1ヶ月くらいした頃で、部室に入ったところ部長が泣いていた。全く意味がわからなかったのでとりあえずその日は回れ右して家へと帰った。

後日、部長でないほうの三年生に話を聞いたところ「よくある発作みたいなものだから気にしなくていいよ」とのことだった。釈然としなかったがこれ以上突っ込むのも野暮なので「そうなんすね〜」と返し、また普通に部活動が始まった。

/*先ほどコメントアウトに「真面目に練習した記憶がない」などと書いてたくせに美術部活動してんじゃんと思われる方もいるかもしれないが、僕は部室で絵をほとんど描いておらず本ばかり読んでいた。俺のプライドは天より高く、周りより圧倒的に劣る画力を見せたくなかったからだ。しかも女の子ばかりなので余計に。*/

そして何事もなく夏を迎えようという頃、文化祭の出し物を決める会議を行うことになった。

 

……………………後編へ続く(エターなることはないと思いますがおそらく年明けしばらく後に更新です)