DARKGNOSIS

140字に断絶した世界を繋ぎ直す

俺たちのツイッター2

何とは言わないですが最近インターネットが大荒れなせいで「Twitter2(だれも社会や政治の話をせず、毎日みんなでアニメを観たりゲームをしたりして1日がおわるマジで楽しいSNS)」へ至ることが人々の間で渇望されています。

 

Twitter2概念については下記を参照

note.com

 

なので今回は最もTwitter2に近いと言われるSNSことVRChatについて今日はお話させていただきます。

 

VRChatとは?

ベースはVR空間にみんなで集まっておしゃべりするだけのゲームです。しかし、あまりにも拡張性が高くユーザーがガンガン開発に参加できるため、現在ではもはや仮想現実と言っても過言ではない状態になっているVR上のSNSです。

なんとVRコミケまで開催されており、先日は4回目となるバーチャルマーケット4が開催されました。(以下は会場の雰囲気がわかる動画、すごいですね)


バーチャルマーケット4 ワールド紹介 VirtualMarket4 World Introduction

 

なぜVRChatはTwitter2なのか?

3つの理由を挙げさせていただきます。

 

アバターに人格が矯正されるから

理想の姿になれたのに怒りを語る必要があるのでしょうか?(反語)

これが現在のぼくです、こんな美少女が社会や政治の話をするわけありませんね。

 

 

②始めるためのハードルが高い(ように感じる)

VR機器の購入、アバターの作成や改変、コミュニケーション……等々VRChatを始めようとすると様々な障害が現れます。

結果、これらを達成できない人民(棘のある言い方をすると怠惰で貧乏で知性のないひとたち)Twitter2に辿り着くことができません。

昔のインターネットがアングラだった理由と同じですね、広く開かれることは良いことばかりではない。

後述しますがそれらのハードルは迂回することが可能です、コミュ力すらいりません。

 

リツイートがないから

リツイートは邪悪です、ボタン一つで社会に物申した気持ちにさせ、更にその”物申したくなるツイート”を外界へと拡散します。

また、物申したくなるツイートというのは誰かの怒りそのものだったり誰かを怒らせるものだったりエッチな絵だったりするので、嬉しい情報である可能性は低く(エッチな絵はうれしい情報です)結果的にインターネットに怒りを蔓延させる邪悪なボタンになってしまったというわけです。

リツイートボタンの開発者も「弾丸を込めた銃を4歳児に手渡してしまった……」とリツイートボタンを実装したことを後悔しているようです。

みなさんも「普段は面白いのにRTが社会と政治の話ばっかり……」みたいな人がTLに一人はいるかと思いますが、VRChatにはリツイートボタンはありません、よかったですね。

www.buzzfeednews.com

 

Q:そもそもVRChatって面白いんですか?

A:受動的に楽しむのは難しいです

はっきり言って、VRChatは簡単には楽しませてくれません(見知らぬ人とのコミュニケーションを楽しめる人なら無条件で楽しいと思うが……そんなひといるの?)

理由は「何でも出来すぎること」だと思っています。

 ざっと挙げるだけでも、コミュニケーション(俺はできない)、他アバターの観察(外人のアバターはマジで面白いし日本人は可愛い)、ワールド散歩(エモい)、仮想クラブ(踊れ)、VRゲーム(何でもある)、アバター改変(可愛くなりたい)、ワールド作成(俺はできない)などなどなどなど無限に遊び場が存在します。

なので、自分なりの楽しみをまず探すところから始めましょう。 

 

俺もTwitter2を始めたい!けど導入がわからない!

ようこそTwitter2へ。

まずはPCとヘッドセットを手に入れましょう。VR機器はなくても遊べますが、十分に楽しむために手に入れましょう。

VR機器はここ数年で頻繁に新機種が出ているため、旧機種は中古品が割と安く出回ってます、レンタルサービスもあるようなので賢く使いましょう。

様々な機種から何を選ぶかの基準は個人的には解像度だと思います、高解像度の美少女アバターを見たいなら高いものを買いましょう。

またOculusQuestについてはスタンドアロンで動作しますが、処理限界があり表示可能なアバターのポリゴン数が1/14になるらしいので注意。(PCに繋ぐことでフルスペックで動かせる)

 

次にVRCにログインし、アバターを選びましょう。

自作とか難しいことはしなくて結構です、VRC内ではアバターをコピーさせてくれるワールドがたくさんある(ワールドを"avater"で検索すると見つかる)のでそこから気に入ったものを探しましょう。

「オリジナルのものを使いたい!」という欲求はとりあえず無視して大丈夫です、何故ならばアバターのアップロードはunity経由で行う必要があり結構面倒です。

そこで躓くのはもったいないので自分なりの楽しみ方を見つけた後で徐々に勉強すればいいと思います。

  

最後に遊び場を見つけましょう、以下はぼくの例です。

写真にいつも一人で写ってるしコミュニケーションとかいうものを一切やらず、一生ワールド巡りして美少女(自分)に大興奮して自撮りしまくってるのがわかりますね。

アバターも配布物→boothで購入→テクスチャ改変→髪型改変と段階を踏んでいるのがわかります、みんなかわいいね。

 

 

 

 

 

 

 

一人でワールド巡りだけじゃつまらないけどコミュニケーションに自信がない……という場合でも楽しみ方はいくつでもあり、無言勢として楽しむ方法(身振り手振りだけのコミュニケーションでも極めると案外成り立つし何よりも美少女の皮を被っているなら無言の方が可愛さを強調できるということもある)、マイクを強制ミュートにされるワールドでDJイベントを楽しむ(Silent Club | VRChat - World)、ユーザが開発した様々なゲームを楽しむなどなど色々できます。

※ゲームについてはunityでできる範囲ならあらゆるジャンルのゲームが実装可能であり、以下のように既存ゲームを丸パクリしたようなゲームもある……この無法地帯感がフラッシュゲームにハマった時代を思い出させる。

 

それと、なんというか。仮想現実なので当然”アレ”もある。

そう、性行為、VR性行為が………………………………………………。

anond.hatelabo.jp

この記事を書いた人とぼくはちがう人ですが、コミュ障ほど肉体接触にコミュニケーションを仮託したがるという言説が正しいことを実感しますね。

日本人コミュニティでボイスチャットに参加するのは超怖いけど、美少女のアバター同士無言でイチャイチャするのは気持ちいいので……。(以下はNPCと戯れるぼく)

 

 

 

と、まあそんな感じです。ここには「死んだら交代ルールでスーパーマリオ64をしていた夏のあの日」「友達数人と小遣いだし合って買ったベイブレードのスタジアム」「お母さんが誕生日に買ってくれたぼくらのウォーゲーム!のVHS」があり(たぶん本当にある)、「大人の喧嘩」「チクチク言葉」「政治ツイート」「男女の争い」はありません(これも多分ないと信じたい)。

だってみんな可愛い美少女であり、クソカッコいいロボットであり、異形のモンスターなんですから。

 

以上です、みなさんがTwitter2に到達できることを仮想世界から祈っています。

 

ソロツーリング・キャンプのメモ

金がないのでアフィリンクをたくさん張るための記事を書きます……(貧すれば鈍する)

 

納車からもうすぐ一年経つ恋色マスタースパーク号ことV-Strom250、現在走行距離は6000kmほどで毎週100km以上は乗っている計算になる。

 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 

A post shared by momokagari (@momokagari)

FXで大破産し、せめて形に残る何かをという戒めとして二輪免許を取ったわけだが、案外ちゃんと趣味になっていて本当に喜ばしい。

バイクに乗ればあらゆる道路がテーマパークとなり、川の堤防を何となく走っているだけで楽しいし、峠を攻めれば手軽に死に漸近できアドレナリンを獲得できる。

 

 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 

A post shared by momokagari (@momokagari)

 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 

A post shared by momokagari (@momokagari)

 

また、 行動範囲が広がった結果、登山やキャンプなど副次的な趣味も見つかり、如何に自分が狭い価値観で生きていたのかということと、世界の広さを噛み締めている。

創作パラノイアとか言ってる場合やあらへん、時代はアウトドア。

 

 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 

A post shared by momokagari (@momokagari)

 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 

A post shared by momokagari (@momokagari)

 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 

A post shared by momokagari (@momokagari)

 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 

A post shared by momokagari (@momokagari)

 

以下、装備品のアフィ。

全部必要なもの、かつ全部ぼくが買ったやつなので安心してリンクを踏んでください。

 

・ヘルメット

 GT-Air2、快適です。

V-strom250の純正パニアにギリギリ入るサイズ、本当にギリギリなので「入らない!」と思っても向きや角度を見直すと入る。

ただし、眼鏡と同時に使いたいならクッションの肉抜きが必要だし頭の形も個々で違うので通販じゃなくて店頭で買ったほうが良いと思う。

 

 ・シートバッグ

 デカさは全てを包容する、250ccバイクにキャンプ用品をフル積載すると全然走らなくてワロタ。

 

・身につける系

コミネマン、事故らない限り不要だと思っていたがプロテクタをつけると安心感から大胆な運転ができる。

夏用冬用はそれぞれ用意したほうが良い、グローブはスマホ操作出来たほうがいい、冬ツーリングをしたいなら電熱入ってたほうが良い。

 

 

■以下ソロキャンプ用品、バイクに積む場合はサイズと重量に十分注意。

 

・テント

1~2人向けを買ったが、コットを設置するとかなりギリギリのサイズ。

どのみちパニアには入らないので、デカいのを買って困ることはないと思う。(リンクはワンサイズ大きいやつ) 

前面タープ用のポールが付いてないので要注意(別で買うか現地で棒を調達すること)

 

・椅子

とってもいーっす(激おもしろギャグ)

 

・机

いるけどいらない。いらないけどいる。

 

 

・ コット

 床で寝れないと思ったので購入、快適だが重量がかさむ。

 

・寝袋

安いのを買って秋キャンプしたら凍死した。

しかも間違えて同じのを二個買ってしまった、誰かもらってください……。 

 

・火

 超軽量焚き火台、スープを温める程度の調理はできる。

デカイ火は起こせないので言うほどストーブにはならないが、ちまちま火の面倒を見るのは楽しい。

  デカイ火を起こすとき用、重量はあるが火がなければキャンプじゃないので。

 

・その他

 思い出したら追記する。

・ハンマー

・ナタ

・コッヘル

・チャッカマン

・ クーラーボックス

・調理器具各種

 

 

 

春は眠りすぎる

近頃の陽気やアレルギー薬の作用もあってか異様に眠ることができ、そして眠る度に同じ夢を見る。

内容の細部は思い出せないが、とにかく少女が出てきて俺はどうしようもなくその子を愛していて、ずっと追いかけ続けているというかなりキモい感じの夢だ。

目が覚めてしまえばその少女の姿も顔も忘れてしまうのだが、ただほんのりと胸に残る「誰かを愛していた」という気持ちが切なく、1時間程度リハビリをしないと出社も出来ないような有様で、然るべき場所に相談すればに普通にキモい罪で逮捕される気がする。

おそらく、ID:INVADED(2020冬アニメ、アマプラで見れるので見ろ)があまりにもよくて流れで舞城作品を読んだのが影響している気がする。

特に、好き好き大好き超愛してる(書名です)は中々のクリーンヒットで、創作パラノイアから抜け出す最後のピースが「愛は祈りだ。僕は祈る。」のワンフレーズだった事に気付かされた。

 

パラノイアについては散々喋ってきたのでもうくどいかもしれないが、繰り返し主張していたのは以下の3つだ。

・オタクの言う愛はキャラではない第三者に向いており倒錯している(現代のSNSアピール文化への批判)

・愛の発露を成し得る唯一の方法は創作であること

・しかし表現することと愛することは全く別物であるということ

後々これらの論は「やりたい奴がやれるだけなので、やれないなら諦めるしかない」という諦観で破壊され、それでも何者にもなれないことを認めたがらない俺はギャンブル沼へとハマっていくのだが、「祈り」を加えて改めて論じることで希望が見えてきた。

ひとつめについては本当にそうなので否定しない、早くキャラにいくら貢いだかでしか語られない資本主義に毒されまくったキモいインターネットから抜け出したい。

ふたつめは容易に破壊可能だ、俺には祈ることができる。

みっつめ、これも間違っていないが表現を祈りの手段と捉えることで全ては繋がる。

神に祈るときに十字を切ったり手を合わせたり賛美歌を歌うように、オタクはキャラに祈るとき絵を描き音楽を奏で物語を紡ぐのだ。

そして大事なのは創作は手段でしかないこと、つまり創作物自体の巧拙は何ら問題ではないということだ。

こんな単純な事にひとつめの事象が絡んでいたせいで全く気づくことができなかった。創作技術を向上させ人々に知らしめることで本当の愛の証明になると信じ、読みもしない参考書を積み上げ、参加する気もないコミケに申し込んだりしたが、近道のつもりで選んだそれらは「祈り」という本来の目的からすれば恐ろしく遠回りをしていたというわけだ。

祈りが主目的であるのならば、その手段に正解も不正解もなく、また誰かと同じ形にする必要もない。俺はもっとキャラを想い、がむしゃらに下手くそな線を引き祈り続けるべきだったのだ!

 

と、いうわけでダサくて下手くそな萌え萌えキャラクターの落書きを生成しまくって、あまりの下手さに爆笑したりしながら夢で少女を追いかけてたらツイッターするの忘れてました。明日からまたやります。

 

以上。

FW:陰謀論と即席の庭

ギャンブルに一番狂ってたときのブログ↓から、反省の意味も込めて転載。くるくるしてる。

https://fotdb.hatenablog.com/

 

2018年8月16日 陰謀論と即席の庭

 

くるくるしてる。

主に思考と貯金が。

 

ゲームアニメ漫画ツイート等々等々等々等々、表現者に消費されるのはもう終わりだ。

こんなものじゃ救われないという倒錯を自覚しているなら、早くそこから抜け出せ、その先には黄金で出来た塔が建っている。

その名を資本主義と言い、一番高くにいる奴が一番偉く、一番満たされていて、その下に人は集う。

唾棄すべきと切り捨てたはずの構造が一番シンプルで生きたかった世界観だと認めろ。

 

インターネットの価値観に染まりすぎたせいで金は生活のための手段でしかなく、表現者の生み出すそれらより下賤で無価値なものであるという世界観に騙されていた。

しかし真実は金こそ生の具現であり、それを集めることこそ豊かな生を得られる唯一の方法だったのだ。

インターネットは所詮キモネクラキショナード野郎共が遠吠えるだけの場所でしかないということを失念していた。

インターネットはいつも負けてない言い訳ばかりする、いい加減にしろ。

 

というわけでFXだ。

こいつは消費の対価としての金ではなく、闘争の結果としての金を得られる。

前者は身を削って得たものでしかないが、後者は他人からそれを奪うことができる。

そんなエキサイティングな稼ぎ方が合法なんて信じられないよなあ!?

しかも勝ち取った金は、それ自身がトロフィー的役割を持つだけでなく衣食住を満たし、同じ世界観で勝ちたがってる奴らからの羨望だって集めることができる。全く持って隙がない。

自分は負けっぱなしだが、表現者に殴られる痛みに比べれば何てことはない。

FXの勝ち負けを決めるのは金の多寡という絶対的な物差しのみで、そこに自己(オリジナル)がどうであるだの小難しい倒錯は必要ないのだ。

 

もう”自分”に囚われる必要はない、奪って稼いで金の塔を天辺まで登るのだ。

それだけが唯一正しくて、それ以外の勝ち方はオンリーワンを盾にした負け惜しみでしかない。

騒ぎ立てる奴らがいるのなら、100万円を口にねじ込んでみろ、すぐに黙るから。

 

さあ、革命は既に完了した。

倒錯を捨て去り、世界を測る物差しを手に入れろ。

死蝶の葬列

「どうやっても世界に許されないぜ、何故ならば世界を愛していないから。」

 

世界の美しさを確かめに行きたいのだが、クソ寒くてバイクに乗れず引きこもる日が増えてる。

なので、久しぶりにFXをしたらあれよあれよとボーナスが消えてしまった。(FXの話題はnoteに書いてるのでそっちも見てね)

キャッシングにまで手を出して良くない状況ではあるが精神的なダメージはそれほどない、というのも近頃は自分に対してどれだけの努力を注いだら何を得られるのかわかってきて、「雑にギャンブルをすれば損する」という結果が最初から見えていたからだ。

通算400万の受験料を払い、ようやく身の程を知ることができたのだが、これは祝福であると同時に呪いでもある。

創作パラノイアから抜け出しつつあり普通にアニメや漫画に触れられるようになってきたが、身の丈からかけ離れた理想に身を焦がし狂気によって駆動することが少なくなった。そして手の届く理想は何を成しても全て想定通り、期待を上振れる楽しさを得ることも少なくなった。

 

だからこそ他者に期待するフェーズなのだと思う。

他人という存在だけはどうしても予測不能だ、何を注げば良いのか、そして何が返ってくるのか全く未知数だ。

期待を下回ることも多々あるのだろうが、それでも全てが想定通りで回る世界よりは多少マシだろう。

 

しかし……。

全くもって世の中の綺麗事は正しいのだなと改めて思う、「賭け事はやめろ」「友は大切にしろ」「仕事は続けろ」などなど唾棄すべきだった言葉が就職して以降、全て現実となって降りかかってきた。次に刺さるのは「親は大切にしろ」「家庭を築け」辺だろうか、もう半分くらい刺さってるが。

 

閑話休題

というわけで俺は俺自身を遊びつくしてしまったが自殺するには早いようなので、今遊んでる人たちに加えて職場やVRCやツーリング等々、色んなチャネルとの繋がりを作っていけたらいいなぁと思う。

幸福は相対的に見定めるものだと思うし(言われたし)、その物差しが極狭い世界にしかなかったのが諸々の破滅だったんだろうなと自戒がある。

労働をやめられないとしても、創作者になれないとしても、”真っ当な人生を全うできる真っ当な俺”を保てる物差しが見つかればいいですね。

 

R.I.P.

死蝶の葬列

気づけば騒音の中にいる

絶望してはいないが救われてはいない。

かつてと同じ状況だ。あれほど取り戻したかった日常でも、その最中に入ってしまえば何の喜びも感謝もないらしい。

 

朝起きたらギャンブルをやりたくなっていた。

「”また”安い狂気に酔って破滅に向かうのか?」

そんな理性の囁きを聞き逃さず、他に金を使うべき場所がないのか行きたい場所や欲しい物を列挙してみた。

しかしどれもギャンブル欲を打ち消すほどの効能を得られず、結局「久しぶりに」という枕詞を言い訳にパチンコ屋へと向かった。感情というハック装置の前では理性や正しさなんて役に立たない。

インターネットのくだらない論争だってきっとそうだろう、感情で動いてる奴らに”正しさ”なんてものが通用するはずがない。

まあ大袈裟に話を広げたところでただのギャンブル中毒者の戯言でしか無いのだが、世の中に蔓延る執着の殆どがそういった脳のバグを突いたものでしかないのだろうとも思う。脳は簡単に騙される。

 

なんつってる内に近所のパチンコ屋に一年ぶりくらいに到着。

耳栓無しでは耐えられない爆音とタバコと加齢臭が混じったような悪臭、覚えていたつもりだが少し面食らう。どんな汚い記憶でも美化されるらしい。

台の物色。まどかの新台は一列、リゼロは二列、知らない内に随分とギャンブル屋さんはオタクになったものだ。

きっとこれも感情を想起するための技術なのだろう。オタク表現は性を刺激するためのコードに相応しく、性はギャンブルと相性が良い。

定期的にインターネットで燃え上がるアニメキャラの性問題だが、こうやって”機能”しているところを見せられると何とも言えない感慨がある。

そんな思索に耽りながら客層をチェックする。

オタク台だからと言ってオタク顔のオタクばかりが居着いてるわけではない、むしろオッサンばかりだった。冴えてない感じの。

休日を捧げられるほどの趣味もなく、共に過ごすパートナーもいない、そのうえ家に篭ってじっとしていられるほど人生を達観してもいない。だからこうやってギャンブルで脳をハックし、幸福が誤配されるのを待ち続けているのだ。

が、これはきっとオッサンのことでなく自分のことだろう。俺は俺以外の人生を知らないし、知らない事は語れない。

 

そんな精神的自傷を繰り返しながら店内をフラフラして辿り着いた休憩所はすっかりジジババの老人会となっていた。

案外みんなギャンブルを楽しんでいるのかもしれないとも思う、ここにいる老人たちは誰もギャンブルに脳を弄られてるなんて1mmも思ったことはないに違いない。

加えて、勝った負けたの世界をベースにしたコミュニケーションは非常に愉快だろう。そんなものが体力も技術も不要に得られてしまうのだから尚更だ(金はかかるが)

 

そんなこんなで自意識をぐるぐるさせながら店内をうろうろしているうちに嵐のように渦巻いてたギャンブル熱もすっかり冷め、一円も賭けることなく店外の喫煙所に移動していた。

ポケットからわかばを一本取り出し、火を点け、燻らせる。

これは破滅をひとつ避けた代償だ。空想を結ぶ糸を自分で断ち切ってしまった今では、こういう形でしか俺は俺を救えない。脳を騙し続けるしかない。

「ーーー救われねえな。」

息を吐き、空を見上げると、秋晴れの空に真っ白な煙が真っすぐ上っていった。

 

執着

甘ったるい腐臭を放つ季節がようやく終わろうとしている。

また少ししたら、湿度の高く生温い空気が気持ちを鈍重にさせるのだろうが、この一時の安寧を素直に歓びたいと思う。

近況はいつも通りだ、忘却と狂乱のシーソーゲームをしながら少しずつ忘却へ寄っている。天候以外に語れることはない。

 

そのため以降は、文章にならなかったパラノイアポエムを吐き捨てておく。

 

【好きでもない対象への執着について】

・執着を捨てるか、対象を正しく愛するかのどちらかしかない

・おそらくきっとどこかで手段と目的が入れ替わっている

・俺が望んでいるのは勝利だけで、創作はその手段に過ぎないのかもしれない。

・散々言ってる愛の倒錯はきっと、その内の一部分なのかもしれない

 

【インターネットについて】

 ・ここは表現で表現を潰し合う戦場だ

・表現の敗者となった人間は強者のより強い”表現”の中に取り込まれる

・お前の語る愛は誰の借り物だ?

・もう消費に疲れてるんだろ? いいぜ、革命だ。

 

【ダーグノについて】

・何者にもなれる世界が、何も出来ない自分を強く自覚させてしまう

・何者にもなれない空疎は性愛か狂気でしか救えない、俺は狂気で救いたい

・シンプルな世界をシンプルに愛せるように

 

"崩壊(ダーク)"の日は近い、断絶を超え"創生(グノーシス)"へ辿り着こう。

さあ諸君、今こそ革命のときだ。

闇の中にこそ本質は在る。

運命や法則を受け入れるな。

力に驕るな溺れるな。

一切を否定し、叛逆を繰り返したその先に残る自我のみを肯定せよ。

これは、武器を持たぬ我々が武器を持たぬ我々であるための戦争だ。 

行き着く先は狂気か、性愛か、それとも忘却か。

ルーレットを回せ。